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「結局、買って貰えるんですか」
「…そういえば。答え聞いてなかったわ…」
雛子は愕然とする。これでは意味が無いではないか。逢坂も肩を落とす。
「それは残念、似合うと思ったのに…」
「字面だけ見るとかなり変態チックですわよ…」
「何なら僕が買いましょうか、ずっと欲しかったんでしょう」
「そんな事するくらいなら自分のお金で……って何で初めからそうしなかったのかしら、私。今だったらそう思えるのに、どうして」
雛子は首を捻る。「きっと成長したんですよ」と逢坂。
「でも、貴女目的を果たせなかった割には妙にスッキリした顔してますね」
「そうかしら?」
「ええ。肩の荷が降りたような」
言われてみると、目的は達していないはずなのに何故か心は軽かった
「そうか……じゃあ私がテレカを渡した意味は無かった、と。無用なお節介を働きました」
「いいえ。私一人じゃいなかったら出来なかったと思う」
「どうして」
「魔法のテレカのお陰かな、私初めてお父さんに逆らったの。ああ、今日家に帰るのが怖いわ!」
雛子は困った顔をしてはにかむ。
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