テレカ屋さん2 夏の浜辺にて

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「遅すぎる反抗期ですね」 「あら、逢坂さんなら『人生に遅いなんて事はない!』って言うと思ったわ」 「そうですかね」 逢坂は困ったように微笑むと、空っぽの右手を差し出した。 「それ、貸して下さい」 雛子はその手の平にカードを乗せる。逢坂はカードをすっと撫でる。そうして再び雛子の手に返した。 「何をしましたの?」 「魔法を解きました」 逢坂は雛子の手からコートを受け取り、羽織る。 「あげます、それ」 「いいの?」 「ええ。電話がかかる魔法は解きましたが、お守り代わりにでも」
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