テレカ屋さん2 夏の浜辺にて

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雛子はまじまじとそれを見る。先程とのツルツルした手触りが変わっている。ザラザラしたそれは、観光地で売っているような絵葉書を半分に切った物だった。 「そういえば、このお花ってなんですの?」 「秘密です」 逢坂は雛子の手に日傘を握らせる。 「では、お元気で」 「もう帰るの?」 「ええ、今年は楽しいひと夏を過ごせました」 「さっきの花の答え合わせ、いつかしてくれますか」 「ええ」 逢坂はにっこり笑う。 「自分に素直に生きて下さいね」 「…はい」 強い風に目を瞑り、次に開いた時にはもう彼はいなかった。
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