2

1/1
前へ
/9ページ
次へ

2

君がきた街。 近所で話題になっていた大きなお屋敷。 駅から公園を抜け、学校の向こう側に 広いお屋敷ができた。 工事中から話題になっていた。 一体どんな家族が住むんだろうと。 そして、君がきた。 君は、酷く憂鬱そうに。 とぼとぼと歩く。 きっと夏休み明けに、 近くの学校へ転入するんだろう。 僕の学校に。 色が白くて華奢な肩を さらに縮こまらせて。 周りを伺うように歩く。 黒くて整った長い髪を 君は鬱陶しそうにしながら。 初めて見かけた時から 気になっていた。 きっと同い年だから いつか仲良くなれたらって思っていた。 公園で見かけると君は 陰鬱そうな表情で ベンチに腰を掛ける。 僕はなんとなく気になって 話しかけたんだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加