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ある日もまた、塾帰りの彼女をみた。
今度は、少し不安そうに早足で歩いている。
やあ、またまた偶然だね。急いでいるようだけどどうしたの?
「あのね!聞いてほしいことがあるの!」
どうしたの?
「ここら辺、今では凄い環境も良くて。治安も良くて。とても良い場所らしいんだけどさ」
うん。
「塾の子から聞いたんだけど。その子は親から聞いたらしいんだけどさ」
うんうん。
「十年前に、事件があったみたいでさ!しかもすぐ近くの公園でさ!」
へー。どんな事件?
「それがね。殺人らしいのよ。男の子が被害にあったとかで。まだ死体の一部が見つかってないとか」
うへえ。怖いね。
「しかもまだ犯人捕まっていないそうなのよ。信じらんなくない!?」
信じらんないね。嫌だよね。
「本当に、いや!引っ越しなんかしなければよかったのよ」
うんうん。
でも、ほら、僕がいるから一人じゃないから安心だよ。
「そうねえ。うん、ちょっとお父さんに相談して、送り迎えしてもらおうかしら」
それがいいよ!それなら安心だね。
そうすると、なかなかこうやって話せなくなるね。
「そうねえ。ちょっと寂しくなるね。別の機会を設けましょ」
本当!嬉しいな!えへへ。
まだまだ、夏は続く。
学校が始まるまでに、
もっとこうやってたくさん話せればいいな。
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