カメラ

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あれ、私、こんな所で何してるんだろう。 家の空き部屋で、私は一人、友達から貰ったカメラを手に突っ立っていた。 何でこんな所でカメラを持っているのか、なぜか何も憶えていない。 寝ぼけていたのだろうか。 下の階からお母さんの声が聞こえる。夕食の用意が出来たらしい。 お腹の空いていた私は階段を駆け降り、母の待つダイニングへと向かった。 上の階で何をしていたの。と先に席に着いていた母が聞いてきた。 覚えてないの、と私が言うと首を傾げ、変な子ね。と呟く。 しかし、ダイニングテーブルの上を見た私も母と同じように首を傾げた。 何故か3人分の夕食が用意されているのだ。この家に住んでいるのは私と母の2人だけなのに。 それを母に言うと、また首を傾げた。 何故だろう、と。母自身なぜ3人分用意したかよく分からないらしい。 もしかしたら、このカメラが関係しているのかもしれない。 「撮られた人が消えてしまうカメラ」 よく分からない曰くつきのカメラに、何かヒントがあるのでは、私はカメラのフォルダを覗いた。 映っていたのは、見知らぬおじさんただ1人だった。
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