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第74話.地獄の映画館編(赤)
YouTuber物語
特別章▷▷▷
地獄の映画館編
地獄の映画館の扉の前では、青鬼と書かれた名札を胸につけた、顔が青い男が立っていた。
青鬼「いらっしゃい!地獄の映画館へようこそ!ご案内は2名様でよろちくびかい?」
隆史「はい、ちょっと、神様に頼まれて閻魔様に用事がありまして。」
青鬼「あーなるほどねー、また神様のお届け人かい。」
隆史「またって他にも誰か来たんですか?」
青鬼「以前にも来てましたね〜そのかたはどうやら地獄から出られなくなったたみたいですがね〜。」
隆史「和明君やっぱりやめておこうよ‼︎なんか不安になってきたよ。」
和明「いや、どうせ天国にいる時点で俺達死んでるんだから、失う物はないだろう?」
隆史「それはそうだけど...」
青鬼「それでは地獄へ2名様入りまーす!くれぐれも閻魔様の機嫌を損ねないようにするだぜベイビー‼︎」
ギィーーー!
青鬼がそう言うと、地獄の映画館への扉がゆっくりと開いた。
中は真っ暗で何も見えなかった、するといきなり、スポットライトの光が二人を眩しく照らし出した。
青鬼「ヘルズジャッジタレント、略してHSTの時間が始まりました、司会は私、おなじみ青鬼が進行していきま〜す。」
観衆「オラァ〜‼︎そんな奴ら引きずり下ろせ〜‼︎」
和明、隆史「何だ!?何だ!?」
館内は徐々に明るくなり、隆史達は大きなステージの上に立たされていた事に気づき、周囲を見渡すと大勢の角をつけた鬼達が観客席から怒声を浴びせていた。
青鬼「皆さん静粛に!それではエントリーナンバー1億飛んで63番の彼達のジャッジをスタートしていきたいと思いま〜す!」
すると、ステージ上のバックモニターに、隆史と和明の焦る顔が映し出された。
和明、隆史「な、何が始まるんだ、、。」
青鬼「彼らは、地球と言う星の日本と言う国の福岡県と言う場所で生まれました、幼い頃から大人しい性格の隆史君、そして学生時代少し見た目だけツッパっていた和明君のヒストリーを見て、まずはヘルズジャッジして行きま〜す!」
まずは...
隆史君がお父さんのコレクションを壊したシーン
マイナス1ポイント
隆史君が体育時間中いつもハミ○ンしてるシーン
マイナス5ポイント
和明君が隠れてエロ本を読むシーン
マイナス1ポイント
和明君が隆史君のCDを借りて、裏を傷だらけにして返すシーン
マイナス3ポイント
......
モニターには隆史達の恥ずかしい過去の映像が流れ、青鬼は次々とマイナスポイントを発表し、隆史達は観客の鬼達から大ブーイングを受けていた。
和明「まじしょうもない事までポイント加算してないか...」
隆史「ハ○チンが意外とポイントが高いよ...」
青鬼「続いて成人してからのベルズジャッジ‼︎」
隆史君がお年寄りと勘違いして、おばちゃんに席を譲り怒られるシーン
マイナス10ポイント
隆史君が笑顔で微笑んだつもりが、笑われてると勘違いされたシーン
マイナス50ポイント
和明君が美容師時代、お客様の髪をとにかく、すけば何とかなると思っていたシーン
マイナス10ポイント
和明君が友達の彼女をずっと思っていたシーン
マイナス50ポイント
和明「成人になってマイナスの幅がエグくないか!?」
隆史「今友達の彼女想っていたって言ってたけど...」
青鬼「それでは合計ポイントを発表しま〜す!隆史君マイナス2000ポイント、和明君マイナス3000ポイントで二人合わせてマイナス5000ポイントになります!」
和明「で?どうなるだ。」
隆史「平均が分からないけど、千を越えちゃったよ...」
青鬼「と言う訳で今回地獄行きの旅の始まりは、Zゲートからスタートです!!」
隆史、和明「Zゲート!!??」
青鬼「それでは二人を連れて行け!!」
隆史達は両端にいた、体育会系ボディガードの鬼に連れられ、Zゲートの扉に放り込まれた。
ヒューーーー
和明、隆史「うわぁぁぁ‼︎」
隆史達はZとかかれた穴に落とされ、どこまでも下まで滑り落ちていった。
コテン
隆史達は起き上がると、目の前には見た事もないような、神秘的な滝が流れていた。
和明「ここがZゲートか。」
隆史「わっ川だ、何かヌメヌメしてる。」
和明「おい!むやみに触るなよ、向こうに吊り橋が見えるぞ!」
隆史「うん!」
二人は吊り橋の前まで行くと、看板には閻魔婆婆までの三途の川と書かれていた。
和明「どうやらここを渡るしかないようだ、落ちないように気をつけろよ。」
隆史「こ、怖いよ。」
ギシギシ
ギシギシ
二人はボロボロの吊り橋を渡り切ると、目の前には巨大迷路のような森林が現れ、しばらくの間二人は森林を彷徨うように歩いた。
隆史「またここだ、完全に迷ってしまったみたいだよ。」
和明「さすがにやばいな、なんかさっきから生臭いしな。」
ザザザザッ
「悪ガキはいね〜が〜‼︎」
和明「おい隆史?何か今言ったか?」
隆史「いや何も言ってないよ...えっ何かこっちにくる、お、鬼だ〜‼︎」
ダダダダダ‼︎
隆史達を追いかけ、鬼が金棒を持って走ってきているのが見える。
「悪ガキはいね〜が〜‼︎」
ダダダダダ‼︎
和明「おい、やべ〜!早く走れ隆史!」
隆史「やばい!逃げきれないよ!」
ダダダダダ‼︎
バタン...。
和明「おい?鬼が転んだぞ!?」
隆史「あれ?起き上がらないよ?」
和明「マジで鬼ごっこみたいだな。」
隆史「だ、大丈夫かな、、?」
和明「おい、隆史どうして戻るんだ、もしかしてあいつを助ける気か?」
隆史は鬼の様子が何故か気になり、道を引き返し倒れた鬼の元へと向かった。
隆史「鬼さん、大丈夫でしょうか?」
鬼はパンツがずり下がり、ケツを露わにしたまま、うつ伏せに倒れ込んでいた。
鬼「痛ててて、鬼のパンツが、お下がりでサイズ大きくて転んでしもうた、こりゃおそらく両足を捻挫したからもう動けん。」
人間みたいな顔をした鬼は泣きそうな顔してそう言った。
和明「鬼の目にも涙か。」
隆史「僕達、神様から頼まれて、閻魔様に手紙を渡しに来たんです。」
鬼「閻魔様に用事か、そしたら閻魔城近くまで案内してやるから、すまんが俺をおぶって行ってくれないか?」
隆史「えっ案内してくれるんですか?わっ分かりました!」
和明「お、おい大丈夫か?そんなに簡単に信用して、こいつは鬼だぞ?」
隆史「鬼さんだけど何かほっとけない気がするんだ、それにきっと鬼さんにもきっと色々事情があるんだよ。」
和明「分かったよ、おい鬼?金棒はどうする?」
鬼「遅番の鬼が来るから、ひとまずそこに立てかけといてくれ。」
隆史達はひ弱な鬼を背中におぶって、談笑しながら森林をぬけ、砂漠地帯のような地面を歩いた。
鬼「そうだったのか、友達のためにカプセルをなー、お前らいい奴らじゃないか。」
隆史「いえいえそんな鬼さんこそ、誰もやりたがらない鬼を志願して、本当素晴らしい鬼だと思います。」
鬼「そっかー、ハハハハ、そういえばさっきカプセルって言ってたけど、この地獄にも一個そのタイムカプセルのような物があるって聞いた事があるな。」
隆史「えっ??本当ですか?そのカプセル今どこにあるんですか?」
鬼「何やらそのカプセルは赤い色をしてるらしく、確か閻魔様が持っていると聞いた事があるな。」
隆史達は、閻魔様がどれだけ恐ろしい怪物なのか、想像するだけで体が少し震えた。
鬼「ちょっと止まってくれ!閻魔様の所へ向かうには、あそこに見える針地獄の山を通過して行かなきゃならない。」
和明「針地獄の山!?あんなのどうやって登るんだ!?」
鬼「いや、それがミソなんだ!皆あれを渡ろうとして苦しんでいるが、俺達鬼だけが知っている特別な抜け道がある、そこの山と山の谷間の抜け道を通れば、もうすぐ閻魔城だ。」
隆史「鬼さんありがとう。」
鬼「悪いが俺の案内はここまでだ、後はお前達だけで行ってくれ。」
隆史「何でですか?閻魔様と会わないんですか?」
鬼「俺は大丈夫だ、こないだお叱りをもらったばかりの親善物だからな!」
和明「分かったよ、てかお前?ひょっとして最初から俺達を案内してくれようとしてたのか??」
鬼「あぁそうだよ!お前達が走って逃げるから!」
和明「そうだったのか、すまん、てっきり叫んでたからさ!」
隆史達は鬼さんと別れを告げ、針地獄の谷間を針に触れないように、そっと進んで行った。
針地獄の山を抜けると、大きな岩で作られた、鬼の顔の形をしたお城が見えて来た。
和明「あっ絶対あれだ!あのでかい岩が閻魔城だぞ!」
隆史「なんか不気味な岩だね、。」
二人は閻魔城の迫力に圧巻され、目の前で立ち尽くした。
「今言うたん誰や!だれの顔がデカイ岩やとガキ!!?」
隆史「うわっなんか岩がしゃべった!?一体どうなってるんだ!」
「これは顔やー‼︎ワシが閻魔や‼︎ガキ‼︎」
和明、隆史「えー!!!?」
でかい不気味な岩で出来た、閻魔城こそが閻魔の顔だった。
和明「まじか!よく見れば顔みたいだな!おい、隆史遠くからもっかい見てみろ、この岩健太の婆婆そっくりだぞ!ハハハ!」
隆史「わっ本当だ!」
閻魔婆婆「わっ本当だ!じゃないわ!お前ら食い散らかすぞ!ボケ!」
和明「喋り方も婆婆そっくりだ‼︎」
隆史「あの、閻魔様怒らせてしまってすいません、あの実は僕達天国から来たんですが、黒ぶちメガネの神様に頼まれて閻魔様に手紙を持ってきだけなんです。」
閻魔婆婆「あっ?またラブレターか!あのクソメガネ!熟女好きにほどがあるばい!ワシはメガネ嫌いなんや!」
隆史「えっこれラブレターだったんですか、せっかく何で受け取って下さい!」
閻魔婆婆「いらんわ!そんなもん!またワシの便所紙にして捨てたるわい!」
隆史「そんな、ひどい、ちなみに前にもこれを持ってきた人がいるんですか?」
閻魔婆婆「あーいたな、そいつは今ワシの鬼として、チリチリ迷路当たりで案内入として働かせておる!」
和明「もしかして、あの案内してくれた鬼?の人じゃないか?てかチリチリ迷路って。」
隆史「鬼さん...。」
閻魔婆婆「お前らどのゲートから来たかは知らんが、ずーとワシの体の上を歩いて来とったわけたい!今だってお前ら寝そべってるワシの上に立ってるんや!」
和明「まじかよ?地獄って閻魔婆婆の巨大な体で出来てるって事なのか‼︎んっ待てよ、俺らのここまで来た道のりを考えると、ちょっと嫌な予感がするな...」
隆史は入り口付近にあった、滝の川の水を触った手を見てブルブル震えていた。
閻魔婆婆「お前ら三途の川を見たんか?イヤ〜ン。」
和明、隆史「ヴオェェェェ!!」
二人は思い出すと全身寒気がし、吐き気を催した。
閻魔婆婆「そう言う訳やから、お前らもワシの部下として一生鬼になって働いてもらうから覚悟しな!最初はワシの乳搾りの係や‼︎」
隆史、和明「ひ、ひやー‼︎」
隆史達は強烈な勢いで襲いかかる、閻魔婆婆の顔面があまりに恐怖で死を覚悟し、以前健太の婆婆からもらった御守りを必死に握り、最後に祈りを捧げた。
モコモコモコ
すると、御守りから煙が見る見る立ち込め、健太の婆婆の顔が空にニコリと浮かび上がった。
閻魔婆婆「え!?美鈴さんやないかい...」
隆史「もしかして健太君のおばちゃんの事知ってるんですか??」
閻魔婆婆「なんでガキどもが、ワシが美鈴さんにあげた御守りを持っとるんや‼︎」
和明「これは、健太の婆婆からもらった、俺達の世代を超えた友情の証だ!」
閻魔婆婆「そうか...ふふ懐かしいのー、ワシと美鈴さんは大親友やったんや...当時ワシ達は閻魔様を夢見て地獄学校に通っていた頃や、思い出すなーあの頃を。」
回想シーン
閻魔婆婆「美鈴さ〜ん!待って〜!フフフフ!」
婆婆「私達ズッ友やで、ズッ友!」
閻魔婆婆「美鈴さんズッ友って何?」
婆婆「ずっ〜と友達や言う事や。」
閻魔婆婆「美鈴さん...」
ワシと美鈴さんはずっと仲良しだった、そんなある日ワシは美鈴さんの当時付き合ってた青鬼の彼氏を奪ってしまったんや...
でもそんなワシの事を美鈴さんは許してくれた、そしてこう言ったんや。
婆婆「減るもんじゃないし、ヘルなだけに!ぷっ」
閻魔婆婆の瞳は潤んでいた。
和明さん「何だ...このしょうもないネタ話は、婆婆の親友だけあるな。」
閻魔婆婆「歳をとると涙腺が脆くてな、鬼の目にも何ちゃらって言うやろ?お前ら美鈴さんに免じて今回だけは許してやる‼︎」
隆史達は理由がよく分からないままだが、健太の婆婆にこの場を救われた事に心から感謝した。
隆史「実は、僕達友達を助けるために5つのタイムカプセルを探してるんです!閻魔様がその一つのカプセルを持ってるかもって、鬼さんから聞いたんですが、僕達にそのカプセルを譲っていただけないでしょうか?」
閻魔婆婆「タイムカプセルか...なんやどっかで見た気がするな...あっしまったわい!下剤かと思って、さっきケツに突っ込んでしもうたわい!」
和明、隆史「え〜ケツの中〜!!??」
閻魔婆婆「なんや、あれ本当に欲しいんか?そしたらワシに任せとき!」
閻魔婆婆はそう言うと、隆史達が立っている地面が大きく揺れだした。
閻魔婆婆「お前達!ちゃんとワシの鼻毛に捕まっとき!」
和明、隆史「はい‼︎」
婆婆の地面でもある体は、大きく起きあがろうと揺れだした。
隆史達は必死に閻魔婆婆の鼻毛にしがみついていた。
ガガガガガガ‼︎
和明、隆史「わ〜‼︎助けて〜‼︎落ちる〜‼︎」
巨大な体をした閻魔婆婆はその場で大きく立ち上がり、隆史達が必死にぶら下がっている鼻毛を一本抜き、手の平にそっと乗せゆっくり地面に降ろした。
閻魔婆婆「今からカプセルだすけんね!お前達ちゃんと受け止めな行かんばい‼︎」
閻魔婆婆はそう言うと、ゆっくりと隆史達に背中を向け、かがみ直し鬼のパンツをずり下ろし全集中した。
隆史「えっ!もしかして!今からケツから出すの??」
和明「やべーぞ!マジか!逃げろ〜‼︎」
閻魔婆婆「冥土の見上げや!行くぞ!!3..2..1..ヘル‼︎」
ブゥーーーリブリブリベリ、バリバリゲリビリ
ブゥーーーリブリブリベリ、バリバリゲリビリ
ブゥーーーーォンボボブォンブォンボーーー‼︎‼︎
和明、隆史「いや〜〜‼︎」
スポーン‼︎
閻魔婆婆のケツから爆風がおき、隆史達は婆婆のヘルズガスの勢いで、赤のカプセルごと天国まで一気に吹き飛ばされて行った。
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