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第2話.池袋駅で再会
YouTuber物語▷▷▷
数日後、隆史は池袋駅東口に来ていた、遠くでは救急車のサイレンの音が鳴り響いている。
隆史は数年ぶりに再会する健太に似た姿を探した。
「こんばんは、少しお時間よろしいですか?」
人混みから警察官が近づいてくるのが分かり、声をかけられた。
警察官「今ここで何されてるんですか??」
隆史「すいません、今待ち合わせをしてまして、友達を探しています!」
周囲の目がチラつく中、隆史は職務質問に身振りで手振りで事情を説明していた。
警察官は慣れた様子で隆史の持っていた荷物に目をやった。
警察官「バックの中を少し見せていただいていいですか!?最近ここら辺は物騒でね、ご協力お願いします。」
隆史はカバンを地面に慌てておろし、ジップを大きく開いた。
警察官「中身はサイフと、お茶とタオルね、何か身分証明する物見せていただいてもいいですか?」
隆史「はい、ちょっと待って下さい、あっ‼︎ありました!」
隆史はサイフから身分証を取り出した。
警察官「ん、これ?なめ猫の免許証じゃないですか?懐かしいなー!お兄さん世代じゃないですよね?一体これどうやって手に入れたんですか?」
隆史「すいません、渡す方間違えてました、これは、実家の父の引き出しに入ってたんで。」
警察官「そうなんだ、お父さんねー、ヤンチャだったのかなー?ハハ」
警察官は懐かしそうになめ猫の免許証をしばらく見つめていた、隆史は警察官に車の免許証を渡した。
警察官「ちょっとチェックするので、お借りしますね。」
警察官はそう言うと、腰にかけていたトランシーバーを取り出し、後ろを向いて何かをぼそぼそと話していた。
警察官「異常なしであります、ご協力ありがとうございました。」
警察官らしき男はそう言い残すと、また周囲を見渡し、人混みの中へ消えて行った。
隆史は待ち合わせ時間が少し過ぎてる事に気づき、携帯で待ち合わせ場所を確認し、静かに深呼吸をした。
「お兄さん、三千円ぽっきりで飲めますよ!」
横からドスの効いた声が隆史を再び呼び止めた。
サングラスに胸元の大きく開いた柄シャツを着た、とても知り合いとは思えないようなイカつい男が、そこには立っていた。
隆史「す、すいません、お金ならないです!」
チンピラ風の男はタック入りのズボンのポケットから手を出し、サングラスを人差し指で垂らしニヤリと笑みを浮かべた。
「隆ヤン久しぶり!合流する前にサツに引っ張られるかと思ったぜ!」
風貌は違うが、チンピラ男の正体は同級生の健太だった。
隆史「うわっ健太君久しぶり!!元気してた?全然分からなかったよ。」
健太「職質されるのはどう見ても俺の方なのにな?逆にここに馴染んでんのかな?いい所知っとるから、とりあえず茶でも行こうや!?」
健太はこっちこっちと指を動かし、我先にと人混みを掻き分け歩きだした。
隆史は言われるがまま、お酒の匂いが染みついた健太の風を後ろで感じながら必死について歩いた。
健太「隆ヤンは全然変わってないな、その素朴なお坊ちゃんな感じもさ。」
隆史「えっそうかな?けどこれでも少しは大人になったんだよ。」
健太「昔から老けてたからな!ハハ!」
二人は何気ない会話を交わしながら、繁華街を抜けて路地裏を歩いた。
ビルの一角にある「サスティナブル」と書いたネオン看板が目につき、健太に連れられ小さな喫茶店に入った。
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