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第4話.伝説の公園
YouTuber物語▷▷▷
健太「隆ヤン!お前は子供見たいだな?ブルーベリーが口の周りについてるぞ!」
隆史「あっ本当だ!ごめん、ありがとう」
健太はおしぼりを隆史に渡し、隆史は口周りについたブルーベリーソースをそっと拭いた。
健太「隆ヤンさ、伝説の公園の事覚えてる?あの地元の緑のあぜ道を抜けた所にあった小さな公園だよ。」
その当時、地域の人達から伝説の公園と呼ばれている、ひと気がなく誰も寄り付かない暗い公園があった。
卒業式の夜に怖い物見たさで、健太にそそのかされ、初めて三人で家出して公園の中に入った、公園の名前の由来は今でも分からないままだが。
隆史「あっそうだったよね!あの後めちゃくちゃ母さんに怒られたよ、もう二度と家出なんかしないと心に決めたけどさ。」
健太「あーけど子供ながらワクワクしたよな!土管の上で夢を語り合ったのも今でも覚えてるぜ。」
隆史「うん、和明君は地元で親と美容師やってるよね?健太君は俳優になれただけでも本当すごい事だよ。」
健太「俳優って言える程のものじゃなかったけどな、あの頃俺達三人でいつか将来でっかい事やるのが夢だったんだよな、俳優やめてもう一度考えたんだよ、俺の残りの人生どう過ごそうってさ。」
隆史「...」
健太「それでさ、過去を遡ると隆ヤン達との楽しかったあの頃を思い出してさ、急に居ても立っても居られず、会いたくて堪らなくなってよ‼︎番号まだ変わってないか試しに電話してみたんだよ!」
隆史「う...うん。」
健太は隆史を見つめ、メロンソーダをズルズルと音を立てストローで一気に飲み干した。
健太「隆ヤン俺はさ、あの時みたいに本当毎日漠然と生きてたけど、しょうもない事してまた好きな事だけして笑って暮らしたいって思うんだ。」
ドタッガチャン!!
カランカラン!
店内のカウンターにいた、男女の女性が泣きながら店のドアを開け走り去った、残された男は水浸しになったスーツをしけた表情でおしぼりで拭いている。
健太「でさぁ、ひらめいたんだよ、隆ヤン‼︎俺達ユーチューバーにならないか?」
ゴホッゴホッ‼︎
隆史はメロンソーダの炭酸を喉につまらせむせ込んだ。
隆史「ん!?えっ!?ユーチューバー!?俺達?」
隆史は目を見開き、思わず聞き直した。
健太「そう、俺、た、ち、だ‼︎今の時代はユーチューバーだろ?」
隆史「えっー?あっごめん、ちょっと待って!何だかお腹痛くなってきたからひとまずトイレに行ってくるね。」
健太「おっおう!?何だよ!話しの途中なのに!トイレあっちだぜ!」
隆史はお腹をおさえ、逃げるようにトイレに向かった。
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