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先輩、大好きです!
先輩を手に入れたくて、親友のマユに、恋のおまじないを教えてもらいました。
リップクリームの先っちょに、つまようじで、好きな人の頭文字を彫る。そのリップを、一週間、毎日唇に塗るんです。そしたら恋が実る、というもの。
先輩とキスしてる気分で一週間。
やりましたよ?
これでもう、孝弘先輩はあたしのもの。
――と思ったら。
なんですか、そこの女。
てめえ、なれなれしく先輩と手ぇつないでんじゃねえよ。
先輩が嫌がってるだろ。
そりゃ、先輩はやさしいから、どんなブスにでも笑顔で接してくれるけど、お前に向けた笑顔の陰で、にがりきってるのがわかるだろ? そのくらい、わかれよ、ブサイク女。
お前なんか、こうしてやる。細いロープを、逃げようとするお前のうしろから首に巻きつけて、ぎゅぎゅっと、身長159センチ158ミリのあたしのかわいらしい体をいっぱいに使って締めあげる。ほうら、もう動かない。
てへっ。
先輩。
孝弘先輩。
もう邪魔者はいなくなりましたよ?
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