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第0話
目を開けた。
開けたはずの目に入ってきたモノは。
何もない、白い色だけ。
真っ白な世界だった。
ただこの時は、白、という色もその場所も、何故ここにいるのか?そんな事すら何もわからない、生まれたての赤子でしかなかった。
色のない世界は、私が目覚めた事で一滴の黒い色を落とした。
―― 神様?
あなたは何者なのでしょうか?
―― もしも
私の過去をしっているのなら……。
―― 神様?
私は過去に何をしたのでしょうか?
―― これはなんですか?
過去に犯した罪?なのですか?
―― 罰 ――
私は過去になにをしてきたのでしょう?
―― どうかお願いです。
私を元の世界に戻して!この色のない、白い世界から出して!!
お願い。
あなたが誰でもいい。
元に戻せるならどうか……。
どうか!
元に戻して!
過去はもう、戻ってくる事はない。
今まで手にしてきたものすべてが、一瞬で消えたのだ。
すべてが。
ただ、白く。
何もない世界に私は一人投げ出され、赤子のように、泣き叫ぶしかなかった。
空に向かい聞く。
私は誰?
私はなんナノ?
私は、私は…… 誰?
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