30人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「……あの……」
勇気を。
「君に……」
出して……‼
「訊きたいことが……あるんだけど……いい……？」
とりあえず、ここまでは言えた。
あとは、この女の子の返事は……。
「うん、なぁに」
その女の子は快く返事をしてくれた。
その女の子の返事を聞いて安心したオレは、その続きを話す。
「えっと……」
まずは。
「君は……このあたりに住んでいるの？」
この質問から。
そこから探りを入れる。
「ううん、違うよ」
おっ‼
『違う』‼
そうなんだ‼ 『違う』んだ‼
ということは……‼
ひょっとして、これは……‼
もしかしてもしかすると……‼
ということで、ここからが本題。
ここからがオレにとって一番知りたいこと。
だから。
「……あのさ……」
訊こうと思うのだけど。
「突然こんなことを訊いたら……」
すんなりと話すことができない。
「びっくりするかもしれないけど……」
ドキドキする。
「君は……」
この女の子が。
「１０年前のこの季節に……」
何て。
「ここに……来たことある？」
答えるのか。
「……１０年前……。この時期に……」
女の子が話し始めた。
……お願い。
お願いだ……‼
どうか。
どうか。
この女の子が。
１０十年前のあの日の子でありますように……。
最初のコメントを投稿しよう！