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「・・・あ・・・あの・・・あなたは・・・」
「トイレ」
「えっ・・・あぁ・・・はい・・・」
私が呆気に取られていると、「私」はフゥ―っと息を吐きながら迷わず歩いた。ショートパンツ型から、ふくらはぎがタプンタプンとだらしなく揺れていて恥ずかしい。
名前なんて聞かなくても分かる。あれは私・・・そう、私なのだ。
それ以外にもう考えられない・・・
「フィー・・・スッキリスッキリ・・・。」
突っ立っているうちに、「私」が頭を掻きながら戻ってきた。
そして私と目を合わせると言った。
「何してんだ?」
「・・・え?」
「トイレに行ってる間 何してた?」
返答に困る。
あまりにも非日常な空間を飲み込めず、ただ立ち尽くしていたのだ。
「ずーっと立ってたのか?」
無言で頷いた。
「・・・何で?」
「・・・その・・・何が起きてるのか分からなくて・・・」
「立ってれば何が起きてるのか分かるのか?」
「・・・は?」
「そこに突っ立っていれば自然に答えが出てくるのかって聞いてる。」
大嫌いな威圧感に押され、言葉が詰まってしまいそうになる。
「・・・いいえ」
「何でそれが分かってて実行に移さないんだ?さっきの時間と今の会話で5分無駄にしたぞ。」
・・・何なの・・・こいつ・・・・・・(# ゚Д゚)!!
「あのな」
「私」は私に詰め寄ってきた。
「このままじゃ 人生全うできないぞ。」
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