第一部 復讐編/#01-01.転落

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第一部 復讐編/#01-01.転落

「わーかってるって。なおちん。なおちーんてば。ぼくちんのこと大好きなんだねー!」  やや垂れ下がった乳房をしゃぶる。年齢を感じさせるが、この際、そんなことはどうだっていい。  抱ければ、いいのだ。己の欲さえ満たせれば。長年連れ添い、見飽きた妻になんか欲情出来るはずがない。人間の三大欲求である、睡眠欲、食欲、性欲。うちひとつである性欲は外で満たすべきなのだ――と井口(いぐち)勝彦(かつひこ)は思う。  よって勝彦は腰を振りながら、気持ちいい部分を探す。  女は、単純な動物だ。適当にあしらってやればすぐにひぃひぃ泣く。すぐ濡れ、すぐ整う。こんな便利な性別を勝彦は他に知らない。 「なーおーちーん。えっちだね。えっちなからだしてるねー。ほら、声なんか我慢しないでいいんだよ? ここをどこだと思っているんだい? ぼくとなおちんの愛の巣なんだよぉー?」  あまったるい口調も意識してのこと。かっちゃん、と勝彦に組み敷かれた女はたまらないといった表情で喘ぐ。その様子に、勝彦は至福を感じる。 「ほぉーら。なおちんの大好きなおちんぽだよ。おちんぽおちんぽー」
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