9.なりふり構わない意地悪令嬢に、ニセ嫁タジタジざまぁーす。

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 あれから順調に月日は流れた。婚約披露――私の中では婚約疲労――パーティーが後一週間に迫った。鬼の指導のお陰で、マナー全般はとりあえず身に着ける事が出来た。歩く姿も美しくなった・・・・と思う!(自画自賛)鬼はあんまり褒めてくれない。多分まだ合格点を手放しで付けるには遠いのだろう。しくしく。これでも頑張っているのよ! ニセ嫁として!!  グリーンバンブーの焼き場の修業だって頑張っているわよぉっ!  そんな私が、今日は婚約披露パーティーの練習をする為に、三成家――特に一矢が懇意にしている取引先への挨拶に同行する事になった。  ううう・・・・上手にできるかしら。粗相なんかしたら、鬼の嫌味が飛んでくるわ。嫌味だけならまだいいけど、もっと辛辣な酷い叱りの言葉を浴びせられるかもしれないし。とにかく、失敗は出来ない。  気分はまるでシンデレラだ。慣れない衣装で着飾り、かぼちゃの馬車に揺れられて、舞踏会へ行く姫のように。  いや、ちょっと思ったんだけど、シンデレラってさ、容姿はもともと綺麗だけど、ダンスなんかやった事ないじゃない? しかも普段から召使のような扱いだったのだから、ずっとお皿洗いとかしているだろうし、美しい令嬢みたいなつるつるの白魚のような手じゃなくて、いくら着飾ったとしても、カサカサしていると思うのよ。私みたいに。  結論。シンデレラも、舞踏会への憧れはあるけれど、馬車に揺られている間、不安しか無かったと思うの!  だってもともとお金持ち根性は備わっている訳じゃないから、怖気づいたり、上流階級の令嬢に意地悪されると思うのよ!
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