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少しづつ女子生徒は遠ざかっていく。しかし止めるなら今どうにかするしかない。今までの苦労を、あんな恐ろしい女に壊されてたまるのものか。
「ま、待てよ! 落ち着いて話をしよう。頼む!」
俺は女子生徒の手首を掴み、足を止める。こんな姿を誰かに見られていたら、完全に俺が言い寄っているようにしか見えないだろう。
「惨めね。集団だと粋がってるのに、陽キャラって一人になると途端に何もできないのよね」
俺はブルッと身体が震えた。恐ろしく真顔で、氷のように冷たい瞳をしていた。
「まぁいいわ。話くらいなら聞いてあげるわよ? ねぇ、ギャルゲーマーさん」
屈辱を感じたが、今は従わざるを得ない。隙を見てあの画像さえ消してしまえば、こっちのものだ。俺の陽キャラ生活をこんな奴につぶさせる訳にはいかない。
ーーこうして、俺の陽キャラ始まって以来の一大ミッションが幕を開けたのであった。
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