2人が本棚に入れています
本棚に追加
戸惑う俺をよそに女子生徒はスマホを触り始める。一体何事かと見守っていると、俺のほうに画面を向けた。
「制服彼女の杞憂。って面白いの?」
スマホには店員が俺にソフトを見せている瞬間の写真が写されていた。そこにはしっかりとソフトの名前と、パッケージが見える。
これはまずい‥‥。こいつはなんだ、一体何が目的だと言うのだ。並んでる時、スマホを触っていたのは写真を撮っていたのかよ‥‥。
「‥‥何が目的なんだよ」
髪の毛を右耳の後ろに掛けながら、女子生徒は瞬きをした。その姿はとても綺麗で可憐だった。
「目的なんてないわ。ただ、最近はこういうゲームが流行っているのかと疑問に思っただけ」
‥‥本当だろうか。完全に何かを企んでいるような、嫌な笑みを浮かべて見えるように見えるのは俺だけだろうか。悪い顔と言うのはまさしくこう言う顔を言うのではないだろうか。
「その写真を消してくれ。盗撮だろ」
とにかく写真さえなければどうにかなる。盗撮と言われれば、きっと消してくれるに違いない。
「消して欲しいって事はやましい事なのねこれは。まぁそうよね、イケイケな青春君がギャルゲーなんてやってるって知ったらみんなどうなるのかしらね」
女子生徒は頬の横にスマホを当て、挑発的な笑みで口角をあげた。こいつは今完全に俺のことを脅している。
「俺の名前、知ってたのか?」
「えぇ、よーく知ってるわ。なんか気に食わない集団だと思ってたのよ」
考えて見たら俺は中学の時、陽キャラ達が嫌いだった。そうなるとこうやって嫌われるのは当然なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!