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また新たな夢へと
「梨花さーん、起きて下さい!」
ゆめみさんの声と同時に梨花さんの目が醒めた。ぼくは、運ばれてきたシーフードパエリアをがっつくように食べ始めながら、梨花さんに聞いた
「いったいどんな夢を見ていたの?」
梨花さんから夢の内容を聞いた。それはぼくにとってはせつないけれど、夢の中では間違い無く彼女は幸せそうだった。
「現実になるように祈ってるよ」
「ありがとう、環境が変わるって、悪いことばかりじゃないんだね。小説もこれからも書ける……、きっと現実にしてみせる」
笑顔で答える彼女を見て、僕も笑顔で答えた。ゆめみさんはにこにことこちらを見ている。
「出来ればあと5分だけ、夢の続きが見たいな」
「それは現実の世界でね」
ゆめみさんが梨花さんを諭す。そのあと少しお話ししたところで、梨花さんとはお別れとなった。これから彼氏さんのところに行くらしい。
テーブルにはぼくとゆめみさんが残った。
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