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感謝します、女神様。
離すと、彼はいつの間にか閉じていたその目を開いた。
「『使い』だったのか、君は」
「これでもう、お互いに自分の元々のアイデンティティは捨てたことになる」
だから。ずっと一緒に居られる。
「ふふ、良い気分だよ」
本当の微笑みを、彼がしてくれた。
俺は嬉しくて、笑い返した。
朱に染まることはもう無いけれど、俺たちは歩んでいける。この足で。
一歩ずつ。確実に。
注ぐ愛に、注がれる愛に、だんだんと呑まれてしまうのを感じながら。
もっと、と何度もせがむことを覚えるようになるまで。
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