#2 色

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感謝します、女神様。 離すと、彼はいつの間にか閉じていたその目を開いた。 「『使い』だったのか、君は」 「これでもう、お互いに自分の元々のアイデンティティは捨てたことになる」 だから。ずっと一緒に居られる。 「ふふ、良い気分だよ」 本当の微笑みを、彼がしてくれた。 俺は嬉しくて、笑い返した。 朱に染まることはもう無いけれど、俺たちは歩んでいける。この足で。 一歩ずつ。確実に。 注ぐ愛に、注がれる愛に、だんだんと呑まれてしまうのを感じながら。 もっと、と何度もせがむことを覚えるようになるまで。
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