コントラストカラー

3 理央の家

「俺らが中一の時、当時の部長だった先輩が不良グループもまとめてたから俺と勇太も関わるようになったんだ。不良って言っても大したことなくて、ちょっと校則破るくらいのただの遊ぶ集まりだったんだけど、先輩が卒業してからグループの奴がカツアゲしたり、タバコ吸ったりし出して喧嘩も増えたんだ。俺と勇太はそういうの嫌いだったから他の奴らと対立するようになったんだけど、同じ頃に勇太と部活で揉めるようになったんだ」
「それが原因？」
「それだけならよかったんだけど、その後、俺が学校でタバコ吸ってるって疑われてさ。吸ってないのに鞄にタバコ入れられてたり、いろいろ証拠が出てきて誰にも信じてもらえなかったんだ。グループの奴に罪を着せられたわけだけど、裏で勇太が関わってたんだ。だからグループ抜けて部活も辞めて、勇太とも口聞かなくなったんだけど、あいつらまだ関わってきて、それでも無視してたらアキが捕まった」
「そうだったんだ……」
　仲の良かった友達なのになぜそんなことになったのか、話を聞いただけでは那月にはわからなかった。ただ、二人が仲違いしてしまうのは悲しいことのように思えて心に引っかかった。