23人が本棚に入れています
本棚に追加
玲央は一人でずっとしゃべり続けるので、途中で理央が口を挟んでやめさせる。そのやり取りが何回も続くので、那月は久しぶりにたくさん笑った。
「ごめんな、那月。時間大丈夫?」
理央に言われて時計を見ると、いつの間にか帰る時間になっていた。楽しい時間はあっという間に過ぎる。明日も学校があるため、那月は帰る準備を始めた。
「そろそろ帰るね」
「もう帰るの? まだいてもいいよ」
那月が立ち上がろうとすると、玲央が腕に抱き着いてきた。
「ごめんね、帰らなきゃ」
「じゃあまた来てね」
「うん」
「次いつ来るの?」
「えっと……」
「玲央、那月も忙しいから」
理央はそう言って、那月から玲央を引き剥がす。そうすると玲央は理央に抱き着き始めた。
「じゃあ来週また来ていい?」
「うん!」
弟ができたみたいで、那月も玲央にまた会えるのが楽しみだ。
最初のコメントを投稿しよう!