休日

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★  ナツが向かったカフェは、商業ビルから四車線の道路を挟んだ向こう側にあった。  落ち着いた内装に、どこか懐かしさを感じる店内は、コーヒーのいい香りで充満している。  ナツはそこで王道のオムライスを注文し、俺は適当に和風のパスタを頼んだ。  二人して顔を突き合わせて食事していると、なんだか本当にデートしているような気分で、少し照れ臭い。  家にナツが押しかけてきた時には、適当に作った料理を振る舞ったりもしているが、外でとなるとなんだか不思議と緊張してしまう。 「オムライスって、血が吹き出したみたいでいいよな」 「おいコラやめろ。食事中だ」 「なんでさ?ほら、このケチャップとか最高じゃん」 「お前の話聞いてるとメシが不味くなるわ……」  俺には殺し屋の感性なんてない。本気で黙れよと思う。  しばらく黙々と食事をして、腹が満たされると途端に眠気が襲ってくる。普段から規則正しくない生活をしているから余計だ。 「トーヤは、家族いないの?」  唐突な問いだ。ニィッとされて、俺は逆に顔を顰めた。 「いない。中学の頃に二人とも死んだ」 「へぇ」  聞いといてなんだよ、と思った。 「オレもいない。同じだな」 「あっそ」
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