94人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっ、待って!?」
キスで混乱した頭は、男が次に何をしようとしているのかを理解してはいた。そして、言葉とはウラハラにまともに止めるどころか期待した。
「ふ、ぁ…お前、おっきいな……」
ニヤリと笑って、男が俺のものを口に含む。上半身を少し上げて、その慣れた行為を眺めた。
「んぅ、は、んっ」
時たまジュルっと唾液を啜る音がエロい。口に入りきらない根本を、左手で上下に動かしながら、自分のズボンと下着を下げ器用に後孔に指を入れている。
「はぁ…悪いな。眼、閉じて他のこと考えててもいいぜ」
「え…」
俺の戸惑と興奮を置き去りにして、男は俺のものの上に腰を下ろした。
「あは…ぅ、ああ……」
ゆっくり根元まで受け入れる。完全に俺のものが中へ収まるまで腰を下ろし、苦しげに吐息を漏らす。
虚に開かれた瞳が官能的で、口の端から垂れた唾液もそのままに、男はぬるぬるした動きで腰を動かし始めた。
「あう、はぁ…奥、届いてる…気持ちいい…」
俺はされるがままに、ただ男の動きを、赤く染まった頬を見つめた。手当てしたばかりの傷から新しい血が流れて白いガーゼを染めていく。
髪の色も、頬を染める色も、溢れる鮮血の色も。
気が付いたら俺は、男の腰をガッシリ掴んで組み敷いていた。
「いああっ、な、急になんだよ!?」
「どうせなら俺も楽しもうと思って」
「はあ?っあ、ん、んぅっ、まあいいけどさ……オレを満足させるのは中々大変だぜ」
見上げてくる挑発的な眼に、我を忘れた。
「んんっ!?ひぁ、うあ、んっ、ぐぅ」
相手のことなんて頭になかった。ただ気持ち良くて、俺は男をベッドの側面に押しやってただ腰を打ち付けた。逃げられない状況で、男は懸命に俺を受け止めようとしがみついてきて、それがなんだかとても愛おしく感じた。
最初のコメントを投稿しよう!