負けちゃった王様

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 負けた。何となくそう思ったイルゼは、しかし気がついたら店に誰もいなかったのを発見した。 「いきなり夜逃げかああああああああ!インペリアルに敵うと思ったのか馬鹿めえええええ!こんなビルもらっちゃっていいのお?!私の店だああああああああああああああああ!待ってろよフラ公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!あとミラ公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「何か、嬉しそうに吠えてるがよ、商業区で騒いだら駄目だって、警察に習わなかったのか?」 「突然現れて何だ貴様はああああああああああ?!カスはすっこめタルがああああああああああああああああ!」 「ああ。まあいいや。女王からさっきこんな書類がズラズラ送られてきててよ。財政鑑査局って知ってるな?元々ジョナサンところの縦ロールがやってた奴だ」 「それがどうしたああああああああ?!ミラ公死ね!フラ公はもっと死ねええええええええええええ!」  一応元同級生に対する殺人未遂だった。 「もう既に整っちゃいるんだがよ。イルゼ・リヒテンシュタイン。お前、捕まらねえって言ったな?」 「だったらどうしたあああああああ?!うおおおおおおおおお!絶対産んだるからなああああ!モン公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!私の容疑は何だああああああああああああああああ!全部無駄だぞおおおおおおお!身代わりは幾らでもいるからなあああああああ!」 「おう。脱税だとよ。全大陸でこんなに」 「けっ、けええええええええええ?!」  けったいな鳥がいたという。 「他にもまあ、贈賄に利益供与、ホワイトカラー犯罪だときりがねえな。おめえ、時代は動いてんだとよ」 「くわああああああああああああああ!」 「まあ、女王がうちに話持ってきたのは、ありゃあ面倒だったからだ。あいつの好みじゃねえんだ。こういう事件は。まあ、向こう十年拘置所と法廷行ったり来たりする人生になるが、いいこと教えてやる。イルゼ、人は罪を犯すが、償えるはずだ。まあ出てくるまでに三十年はかかるだろうが。よし、連れてけ」 「認められるかあああああああああ!ジョナ公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!フラ公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!ミラ公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!タル公おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!覚えとけよおおおおお!いつか地獄見せたるけえ!」 「何語だ?お前は」  イルゼは捕まったという。
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