青里勇輝(あおさとゆうき)

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青里勇輝(あおさとゆうき)

ログアウトすると、机の上に紙と鉛筆が置いてあった。 その紙には、名前、アバターの種族、アバター名の記入欄があった。 俺は置いてあった鉛筆で記入した。時期に他の人たちも描き始めた。 全員が書き終わった頃に先生が話し始めた。 「まず対戦のシステムについて話します。対戦前に相手のプレイヤースキルレベル、通称PSLを見るこ とができます。PSLは個人の上達とともに自動的に上がっていきます。PSLは1〜100までの数字で表示 されます。しかし、その上には100+がありますが、ここまで到達した人は日本に4人しかいません。 そして、対戦ですが、ログインし、スタートボタンを押すことでランダムに同じくらいのPSLの人とマ ッチします。その後は戦うのみです。それ以外にもボタンはありますが、今は絶対に押さないでくださ い。これを押した者には1週間の停学と、ポイントマイナスの罰が与えられます。そして、ポイントに ついてですが、このポイントであらゆる物を買うことができます。地位や名誉、土地もこのポイントで 手に入れることもできます。高校で獲得出来るポイントは100ポイントまでで、真面目に授業を行えば 全員に与えられるようになっています。これで説明は以上です。」 そう説明しながら生徒が書いた用紙を確認していた先生はある一枚の紙で手を止めた。 「明日から授業を始めますので、今日はここで解散です。赤星望くん以外は帰ってよしです。」 俺が戸惑っているうちに、クラスメイトは俺を笑い見ながら教室を去って行った。 全員が出ていくと俺はすぐに先生に尋ねた。 「なんで俺だけ残らないといけないんですか!俺別に何もしてないですよ。」 先生は両手を広げて、落ち着けという仕草をしてから話し始めた。 「お前が悪いことをしたからとかそういう理由で残したわけじゃない。お前のアバターは獣人族だ。 結論から言うと獣人族のアバターは進化する。何を言っているのかわからないだろう。そもそもに アバターは火、水、草、白、光、闇の6つに属性が分かれている。だが獣人族には属性はない。 獣人族はPSLを上げることでどれかの属性に進化することがわかっている。そしてその進化したアバタ ーはとにかく強い。だがそれを過信せずこの学校で過ごして欲しい。話はこれだけだ。」 そういうと先生は教室を出て行った。 俺が教室を出ると隣の教室から青髪の男が出てきた。目があったが言葉は交わさず、その場から去っ た。 ー次の日ー 朝学校に来ると黒板に 「赤星望は校長室にくるように」 と書かれていた。 特に用もなかったので俺はすぐに校長室に向かった。 校長室をノックし、部屋に入ると昨日見た青髪の男と黒髪でメガネをした女の子がいた。 俺に続けて後ろから、緑の髪のぽっちゃりくんと、銀髪の侍のような女の子が入ってきた。 少し遅れて黄色い髪のヤンチャそうな女の子が入ってきた。 その子が入ると、校長が話し始めた。 「みんなよく集まってくれた。みんなに集まってもらった理由はただ一つ。君たち6人を学年取締り役に任命する。」 みんなが目を見開いて、驚いた。 学年取締り役とは、その学年の秩序のために戦い、学年を統制する役割りだ。本来は授業を受け、成績 優秀者の中から選ばれる。だが、入学翌日に任命されたのだ。 「君たちは今まで見たことのないようなアバターを持っている。特に赤星望君。君はこの中でもだんと つで才能が飛び抜けている。君がリーダーとなり、この学年を率いてくれ。話は以上だ。解散。」 俺たちは校長室を出た。すると、黄色い髪の子が突然話し始めた。 「せっかくだからさ、自己紹介しよーよ。私は高橋希美(たかはしきみ)。アタッカー系アバターです!。」 他のみんなはうなずき、次々に自己紹介していった。最初は緑の髪のぽっちゃり君が言った。 「初めまして。僕は緑野崇(みどりのたかし)。タンク系アバターです。」 続いて銀髪の子が 「私は猿飛多恵(さるとびたえ)でござる。家は忍者の家系であるゆえか、暗殺系アバターでござる。」 次に青い髪の男が 「青里勇輝(あおざとゆうき)。魔法系アバターだ。」 黒髪のメガネのこは 「黒葉蒼葉(こくようあおば)です。魔法系アバターです。よ、よろしくお願いします」 最後に俺が話した。 「赤星望っす。リーダーやらせてもらうことになりました。よろしくっす。アバターは獣人系っす。」 そう言ったとたん、みんなが俺に注目を集めた。 希美「獣人ってホント!?」 崇「本当ならすごいことだよ!世界で数人しかいない種類だよ!」 多恵「そんなアバターを持つ人と同じ学年なんて、光栄でござる!」 蒼葉「へーすごーい」 望「・・・・」 みんなが俺の話題になっているなか、望だけがその場から去ろうとしていた。 「おい、青里。お前も会話に入れよ。」 俺が声をかけると 「悪いが俺はお前たちと馴れ合う気はない」 そう言ってその場を去っていった。
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