3人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
1年1組
入学式の後、俺たちは近くの教師達に連れられ教室へと向かった。
教室には紙が貼られ、生徒の名前がずらっと書いてあった。俺の名前は1組のところに書かれていた。
どうやら俺は1年1組のようだ。教室には何人か、すでに入っており、教卓にはARで、
『席は自由。好きに座りたまえ』
と書かれていた。
俺は教室の左端の一番後ろの席に座った。徐々に教室は埋まっていき、やがて全員が揃った。
それから少しして担任と思われる教師がやってきた。
「初めまして皆さん。私があなた達の担任教師、榎本夢華です。これからキングラスを皆さんに配布し
ます。配られた人から首に装着し、ログインしてアカウントを作ってください。ログインの方法はキン
グラスにあるこの赤いボタンを押すことでできます。次の指示は後で出しますので始めてください。」
そう言って先生はキングラスを配り始めた。配られるとすぐに首につけて、ボタンを押した。
その瞬間、景色が変わり、アナウンスのようなものが流れた。
『年齢、性別、名前、を叫んでください』
俺は指示に従って叫んだ。
「16歳、男、赤星望だ!」
すると、目の前に人形のようなものが現れ、その人形のような物の足から金属のようなものが張り付い
ていき、形作られていった。
フォルムは人型。日本刀のような刀を持ち、真っ黒の鎧を着ていた。兜はなく、代わりに獣の耳がついていた。するとシステムメッセージが流れた。
『アバター作成完了。種族、獣兵士(ビーストソルジャー) アバター名、レッドライオット
俺はそれを見て、目を見開いた。そして一言だけ呟いてログアウトした。
「まさか、お前が来るとは。フッ。おかえり、相棒」
最初のコメントを投稿しよう!