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そういえばレニャはどうしているのだろうとふと思った。聖堂の方へ歩いて行く後ろ姿を見たが、その後は全く姿を見ていなかった。
町へ行ったのだろうか。しかし、彼女が部屋を出る時には素足だったことを思い出した。教会内ではそれで過ごせても、一歩外へ出れば町にたどり着くまで石ころだらけの地面を歩くことになる。素足というのは現実的ではなかった。
外に出たのでないとすれば、身を隠せる場所は限られている。
祭壇の脇の倉庫へと続く扉を開けると、扉が何かにぶつかる音と少女のぎゃっという悲鳴が聞こえた。
中に入ると、床にうずくまり腰の辺りを押さえているレニャが非難がましい目で睨みつけてきた。
「ほんっとうに不躾な男じゃ」
「ぶつけたのはすまなかった。が、そんな所に座っているな」
「昨日までは誰も来なかったんじゃ!」
どうやら扉に寄りかかるようにして座っていたらしい。小さな子供のように喚き散らすレニャは手に干した魚のようなものを握りしめている。それを尻目に壁際に並んだ棚の一つに向き直ると、なるほど、そこに置かれていたのは大量の保存食品だった。
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