【五】

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【五】

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆  えぇ、知っていたのです。  付き合ってから、散々色々いわれていました。    井上さんは私のことを愛していない。  欲しかったのは、お堅くてお嬢様のイメージが強い、私の通っていた女子高のブランド(りょく)なのだと。  あの女子高に通っている生徒と付き合えるだけで、仲間たちから一目置かれるから私と付き合ったのだと。  そうじゃないという幻想は、井上さんが逃げたことであっさりと砕けて、取り残された私は暗闇の中で泣くしかなかった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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