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「というわけで浜田君、どうかな? ここでのクラブの練習は毎週月曜のこの時間で、私達だけ自主練で今日みたいに木曜のこの時間もやってるんだけど、塾とか部活とかバイトで忙しい? だったら週1で、どっちかだけ……できれば月曜がありがたいけど」
令佳先輩が、この話を是非とも僕に引き受けて欲しい、と思っていることは良く分かった。しかし彼女の態度には僕に対する媚びが全くない。クールに淡々と、だけど爽やかな笑顔で交渉する。
かえってそれが僕の好感度を上げた。よく女子が男子に頼み事をするときに甘えた声を出してお願いしているのを見ることがあるが、ああいうのは僕は苦手だった。
「そうですね、月も木も塾の時間はかぶってないし、部活もバイトもしてないんですけど……」
「だったら、引き受けてもらえる?」
「……ええ。僕で良ければ」
とうとう、僕はうなずいてしまった。
「よかった」令佳先輩は心底嬉しそうに微笑む。が、すぐに真面目な顔に戻って言う。「ただ、いくつか守って欲しい条件があるの」
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