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「なんですか?」 「まず、クラブの YouTube チャンネルを開設して欲しい。で、クラブの演技会とか試合の動画とかを、そこにアップロードして欲しいの。そうすれば広告収入が稼げるでしょ? 君のバイト代の財源は、できればそれで確保したい。うちのクラブもそれほどお金が潤沢にあるわけじゃないからね」  ……ってことは、出来高払いになっちゃうのか?……これはやっぱり、バイト代はあまり期待できないかもな…… 「どう、YouTubeチャンネル、開設できる?」 「やったことはないですけど……ノートパソコンは持ってますから、多分調べれば出来ると思います」 「ありがとう。頼りになるわね」令佳先輩がニッコリと笑う。この人のチャーミングな笑顔がこんな間近で見られるなんて……ほんと、なんて幸せなんだ……  だけど、令佳先輩はすぐにその笑顔を曇らせる。 「それから……その……」  先輩の口調が、なぜか少し歯切れ悪くなった。
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