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そうか……まさか副会長とはなあ。やっぱ優秀なんだろうな。ま、僕とは住む世界が違うよな……女神さまだもんな……
……と、その時の僕は思っていた。の、だが……
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「ねえ、浜田君」
夏休みが終わってしばらく経ったある日のこと。昼休み、僕は同じクラスの佐藤 茉奈に声を掛けられた。
「え、なに?」
意外だった。それまで僕は彼女と一度も口をきいたことがない。彼女は割とかわいらしい顔立ちだが、それほど僕の好みというわけではない。同じ佐藤でも、僕はやはり佐藤令佳副会長の方が圧倒的に好みのタイプだ。
「浜田君って、動画撮影もできるの?」
「動画?」
「ほら、浜田君ってカメラが得意なんでしょ?」
……ああ。
実は僕は3ヶ月前に市の祭りのフォトコンテストに応募したのだが、その結果が先週の始めに発表された。なんと僕は佳作に入選したのだ。それが学校に伝わって、先週の金曜にホームルームで先生にその件について紹介されたのだった。
「あたし、日曜日に君の写真、見てきたよ」と、佐藤さん。
「え、市民会館のギャラリーまで行ったの?」
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