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「マジっすか!」思わず僕は大声になる。「先輩もメイドさんになるんすか? 美味しくなーれ、萌え萌えきゅん、とかやるんすか?」
「……浜田君、詳しいね。メイドカフェ行ったことあるの?」
ぐはっ。
ヤブヘビだった。
「い、いや、行ったこと無いっすよ!」
「ホントに? あやしいなあ……」先輩がジットリした目で僕を見つめる。
「ホントですって! マジで!」
「ま、いずれにしても、私はメイドにはならないけどね。実行委員だから」
あ、そうか。確かに、文化祭の時は生徒会=実行委員会だから、副会長の令佳先輩は当然実行委員になるわけだ。実行委員は文化祭当日は運営管理の作業に徹するため、部活やクラスの出し物には参加しなくてもいいことになっている。
「……そうっすか」僕はがっくりと肩を落とす。「先輩がメイドさんやってたら、僕、絶対撮影に行ったんですけど」
ぶっちゃけ、令佳先輩のメイド姿……めっちゃ見たかった……
「あ~ら、それは残念だったわねぇ。私を笑いものにできなくて」少しも残念そうには見えないニヤニヤ顔で、先輩が言う。
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