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練習室の中にあるミーティングルーム。パイプ椅子に座った僕の前に、長机を挟んで令佳先輩、その隣にもう一人、知らない女子がやってきて座る。その人は僕的には令佳先輩よりはルックスは落ちる、って印象だけど、ショートヘアがよく似合ってる、かわいらしい感じだ。いきなりその人が口を開く。
「あたしは副部長、二年四組の三崎 真由香。へえ、カメラマニアだって言うからどんなオタクっぽい子が来るのか、と思ってたんだけど……意外にまともな感じね」
ちょっと鼻にかかった……アニメ声ってヤツ?……でそう言いながらその人、三崎さんは値踏みをするような目つきで僕を見つめる。
「はぁ」
それ以上、僕は返答のしようがない。あんまり年上っぽくないけど、この人も先輩なんだ。二年四組って、国立理系クラスじゃないか。女子だと珍しいな。ちなみに令佳先輩の二組は国立文系クラスだ。
「ちょっと、マユ、その言い方は失礼じゃない?」咎めるように、令佳先輩。
「てへ。ごめーん」苦笑いしながら、三崎先輩が軽く頭を下げてみせる。なかなかお茶目な人らしい。
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