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俺は学校では浮いていた…
「あいつに近づかねぇ方がいいよ」
「また留年だって」
「勉強ちゃんとしてるの?」
親や前はダチだったやつらも皆俺を見下すようになった、休みが続くようになると
先生やらが扉をぶっ叩いてくる、家にも学校にも俺の居場所なんてない
ピンポーン
また先公が社交辞令並みに挨拶しに来やがったおかんが話をしてる俺に聞こえるようにわざとデカデカと…うっせぇんだよ!
「職場体験ですか?あの子は、その…」
「私も初めは不安でした、ですがあそこなら…いやあの方々ならきっと変わりますよ」
はぁきっとなんだか更生施設だとかに送るんだろうな、俺はまた戸がドンドンなるのを無視して寝息までたててみた
「これ置いとくね、これやったら卒業出来るかもよ…先生見返しちゃうなぁ
ここに行くだけで他の先生からも高得点貰えるよ行く気になったらいつでもいいからね、あ、それと彼らに会ったらたける君がお世話になりましたって言っといてね」
長々と…でも点が稼げるなら行っても悪くねぇか、顔だけだして帰ればいんだからな
先公が出てったのを窓から見送って戸の前に置いてあった紙を手に取った
"オジSUNhome"
いかにも怪しい名前だな…なんか女子に受けそうな変なおっさんのイラストまで載せやがって……俺はベッドに寝転がってその紙を眺めた
電話番号が裏にでっかく書かれてた
俺に電話しろって事か?
スマホを取り出して電話番号を入力してあとはかけるだけ…でも待てよ…なんでおっさんの所に行かなきゃ行けねぇんだよ
馬鹿馬鹿しい…バッテンを押そうとしたとき
「ねぇ!何を話したの?!どこに行くって!?」
「わわっ!!」
ポチ、プルルルル…プルルルル
≪こちらオジサンhomeだけどもしかして
就職か?まぁ人が足りないから今からでも良いぞ、じゃそこに迎えに行くから待ってろ≫
ちょ、ちょっと待てよ!
一方的に切られておかんが戸をこじ開けて目を光らせて俺を見てる
「ま、まぁ…強引だけど決まったっぽいわ」
どうなっちまうんだよ!!
てか声はおっさんと言うよりも俺よりも少し上か?
とか考えながら荷物を整理してリュックにまとめて部屋を久しぶりに出た
それだけでおかんは涙声になって、玄関を出る頃には「気を付けるんだよ」だか「頑張ってね」だか聞き取れなかった
そこにはヤンキーが車の横で時計を見ながら貧乏ゆすりをしている、こんな態度わりぃやつがいるオジSUNhomeってどんなんだ?!
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