召喚されたよ。すごくね?

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 時は進んで夜になった。 なぜかわからないが皆この状況をすんなり受けいれている。みんなの心臓には剛毛が生えているらしい。 ちなみに俺と京壱には家や家族に思い入れはないので特に何も思わない。まぁこのことはいつか語るとして、、、。 今はこの世界の人間は居なく、クラス全員で集まっている。 「おい、全員聞け。」 声の方に視線が集まる。声を上げたのは今まで出番もなく一言もしゃべらなかった、晶センこと、 源晶彦(みなもと あきひこ) 先生だ。 「どしたの、晶セン?」  と、馬鹿でお馴染みの村上が声を上げる。 「突然のことでよくわからないから一度全員で話しておこうと思ってな。」 京壱は何も言わずに周りからの認識を阻害する魔法をクラスメイト+先生に かけた。気の利くやつだ。 「まず、全員いるな?まぁいるだろうが・・・ここは異世界・・・ってことだよな。まったく信じられないような話だが。この状況「なら受け入れるしかなさそうだな。」 晶センはこの状況に対して割と混乱している。大丈夫。先生が普通です。 「とりあえず・・・そうだな、全員の天職の確認、あとは・・・そうだな、ステータスの確認とかか、することといったら。」 「先生、ですが・・・もしこの中で裏切りが起きた場合、ステータスの開示は致命的かと・・・」 クール系インテリイケメン、長瀬が言う。 (ちょっと黙れや。お前はなんでそう余計なことを言う。裏切りの可能性に気づいたらややこしくなるだろうが。) そんなことを思っていると、京壱に苦笑いされる。すいませんねぇ、怒りっぽくて! 「まぁ・・・それもそうだな。このクラスでそんなことが起きることは考えにくいが・・・というか俺はそんなことが起こらないと信じている。お前たちは近年まれにみる仲の良さだからな。俺も鼻が高いよ。」 この教師良い感じで締めようとしてるぞ・・・ 「だが、この世界の人間には基本警戒しておけ、ここに来てたった数時間。あちらさんに簡単に手の内を明かすのは気が引ける。そもそも俺たちが召喚されたのは魔王軍の討伐のため、なのに人間と魔族の詳しい関係性、今までの出来事・・・歴史なんてものを俺たちは全く知らない。人間に良いように使われて死ぬ・・・なんてこと、考えたくないがあるかもしれない。そういうの異世界転生モノとかのテンプレ?だろ。それだけは頭に入れておいてくれ。ラノベとかよく読んでる鈴木あたりに予備知識として聞いておくのも得策かもしれんな。」 なかなか良いことを言う。流石教師といったところか。 それにしても鈴木、急に名指しされたからかなり驚いているぞ・・・鈴木って言われた瞬間「ぴぇっ」って声出てたし・・・ 「ま、まぁ無いことはないですよ・・・そういう話。人間側がクズっていうのもありますし・・・・・・仲間が裏切るっていうシチュエーションもあります。それを糧に主人公たちが成長する・・・みたいな。」 確かにそうだ。そういう話も少なくない。何より読者もそういうのを求めていることもあるだろう。 「だろうな。そういう話。俺も読みたい。」 うるせぇよ。村上。聞いてねぇし。 「俺も読みたい。」 教師!!!!!!!!!!!!! 「とにかくここはフィクションじゃないし、俺たちも生きている。召喚なんて非現実的なことだが信じざる負えない。何が起こるかわからない。ありえないなんて言っていられない。そういう世界に来てしまった。だからだ、俺たち2年3組全員で全てを警戒し、クラスメイトを信じ、必ずだ。必ず!全員で帰ろう。俺たちの教室へ。」 そう締めくくった。晶センはやっぱりすごい。熱血・・・ってわけではないけど、生徒を信じ、生徒に信じられているのがひしひしと伝わってくる。 「おうよ!がんばろーぜ!」 「異世界?望むところだ。」 「負けるわけにはいかないもんね!」 「僕の知識・・・有効活用できると良いなぁ。」 「できることは・・・精一杯やります!」 なんていうポジティブな言葉が辺りから湧き上がる。クラスが一丸となった。俺も京壱の肩を叩き、拳を突き出す。 「この世界に勝つぞ。」 驚いたように目を見開いた京壱は悪い笑顔で拳を突き返す。 「負けるわけがないだろう。」 俺と俺に焦がれる親友と最高のクラスメイトと最高の教師。二度とお目にかかれないであろう我ら2年3組の最高で最強で最悪な異世界ライフが今、幕を上げた。
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