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"生徒会の会長からの情報"
織田先生がそんな犯罪に手を染めるなんてことはありません!
織田先生は倫理の教師としていつも節度を持った行動を心がけており、私たち生徒会もそれに準じて節度ある行動を普段から行っています!
たとえ地球がひっくり返ったとしても、いや、実際にはひっくり返ることはあり得ないのですが、もし!イフ!そんなことが起こったとしても織田先生が犯罪に手を染めることなどないのです!
今回、織田先生が休まれたというのは私たち生徒会一同も困惑をしているところではありますが、織田先生が中途半端な理由で動くことがないのは、いや、実際には動かず休まれたのですが、とにかく!よほどの理由があったと、私たち生徒会は考えています!
間違っても、織田先生のそんな不埒な情報を新聞に載せたりしないように!生徒会から断固新聞部へ自粛を求めます!以上!
それでは、仕事がありますので、どうかお引き取りを!
〇
「画にかいたような生徒会長さんね」
「うちの生徒会長あんなんでしたっけ」
俺がこの学校の生徒会長を見たのは初めてかもしれない。
「お前は朝礼とかも居眠りしてるからな。そりゃあ見覚えがないだろうよ」
その通りだが、その言い方は不本意である。体力の温存と言ってほしい。
「まぁ、生徒会長さんのことはさておいて、内容に目を向けましょう。織田先生は言うなれば品行方正といった先生よ。その振る舞いは生徒のみんなが知っている。そんな織田先生が犯罪を犯すなんてことはやっぱり不自然なことなのかしら」
岩上先輩は顎に手を当てて悩んで見せる。
内容が内容なだけに進藤もここでは分析に苦心しているようだ。
「まぁ、人間なんてものは測りしれませんからね。いくら外見がちゃんとしていても、部屋がメッチャクチャ汚いみたいなことはよくあることですよ」
俺は今思える自分の意見を発言した。
俺の言葉を聞いて、進藤は口を尖がらせて苦い顔をしていたが、岩上先輩は俺のほうを見てクスッと笑った。
「ええ、そうね。私はそういう君の少し悟ったようなところが大好きよ。なんにせよ、私たちは正しいことを書く。もうちょっと深く調べてみなきゃね」
先輩はそう言って、新聞部の部室へと戻っていった。
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