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翌日、日曜日。
休日であるというのに呼び出された俺は、自分のデスクに顔を伏せって苦言を呈した。
「なんで日曜に呼び出されるんですか。休むときはきちんと休むことによって健全な学校生活が――」
こんなことを言ったところで無駄なことは重々承知である。しかし、ここで抗議することをやめてはいけない。もし、こういったことを受け入れてしまえば、今の境遇よりもさらにエスカレートする可能性が出てきてしまう。
「"健全"な生活っていっても、お前はどうせ部屋から出ないだろ?漫画読むかゲームするかして、一日中ぐーたらするだけじゃないか。そんなんだったら部の活動に付き合った方がまだ"健全"さ」
進藤が憎まれ口をたたいている。残念ながらその憎まれ口は的を射ているため、俺としては反論できない。
「そういえば、君の家ってどこにあるの?」
岩上先輩が不吉なことを聞いてくる。もちろん俺に教えるつもりはない。
「こいつの家ですか?えっと……」
「シャァラップ進藤!ポッキーおごるから!」
進藤の裏切りを俺は全力で阻止した。岩上先輩は明らかに不機嫌そうな顔をしていた。
「ところで、なんで日曜に召集かかったんですか?」
俺は岩上先輩に尋ねた。
「なんでって織田先生のことを調べるために決まってるじゃない。織田先生は土日もきちんと出勤してくるような人なのよ。だとしたら、今日は織田先生来てるかもしれないじゃない」
どんなところよりも早く情報を仕入れる。まぁそれは新聞部としては大切だとは思うが、そのせいで俺の休日が一日潰れたことを俺は一生忘れないでいようと思う。
そしてなにより、織田先生がこの日学校に来ていなかったことで、つぶれた俺の休日は無駄だったという結論に至る。
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