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『私よりも先に死なないで!』
そう息を整えようとして口から吐いた言葉だ。やっと見つけて一歩ずつ近付いていたはずなのにピタっと止まる美波。
その瞬間、タイムスリップした事を思い出した。
別の世界線で、過去に同じく美波がそう言ってモデルさんが死んだことをーーー
だから別の世界線の美波がモデルさんを止めに来たんだと実感した。
美波の目の前か、美波の周りの人間が、美波よりも先に死ぬのが許し難いのだ。
前にも似たように、この状況でモデルさんに言った気がした。
その時はモデルさんが亡くなり、次の日にニュースに流れた。
ビシッと痺れた脳内から目を覚ました瞬間。美波はモデルさんを助けるために、別の世界線に移し替えされたのだと知る。
過去の記憶でもないのに前回もモデルさんを止めていた。
まぐれなんかじゃなくて、美波とモデルさんは、別次元に遭遇しているのを美波の体を覚えていたみたいだ。
美波の体が赴くままに適当な理由をかき集めただけだった。
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