第四話

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(あれ? ニュースで言っていた、詩の投稿とは違う・・・・・・)  モデルさんが亡くなる日に投稿したものとは違う。それとも、のちに投稿する予定なのか、タイムスリップだしても正解などない。  モデルさんが投稿した、部屋の外に移る青空の写真を見つめる。  美波の部屋から見える青空を見てみると、空が似ていた。  たまたま風の影響で流れ着いたのかは分からない。けれど、もしかしたら近場に居るかもしれないという期待から手掛かりになる。  二十三区の区内は、同じだと何かの記事で見たことがある。  カフェが行きつけであれば、カフェからも近い場所なのだろうと推測した。  モデルさんが次のインスタに投稿するまでに、同じ区内にある自宅からカフェの付近を探し回る。  モデルさんが亡くなってしまう前にーーー  またモデルさんがインスタに投稿したという通知が来た。 ーーー 『詩のノート』  鮮やかな色をした青空は  どこまでも鳥が通り過ぎていく。  なんで僕は飛べないのだろう。  あの青空に向かって  なんで飛び出せなかったのだろう。  二十XX 八月同日 俺より ーーー 「来た! この詩!」  ニュースでアナウンサーが読み上げた、モデルさんの最後とされた詩だ。  ふと『自宅のマンションで飛び降り』というニュースの新たな情報を思い出した。  八月六日で見た、あのニュースだ。  飛び降りが出来そうな、高めのマンションを探していく。マンションごとに屋上を見上げる。 「あっ!」  地道な努力のためか、マンションの屋上に誰かが立っていた。美波の視力の良さで、男性なのは分かるくらい。  勢いのまま、そのマンションの屋上まで美波の体が動き始める。屋上の扉を開ければ、モデルさんが立っていた。
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