第五話

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「大丈夫ですか?」  モデルさんが固まっていた美波に心配し始めた。“ 死なないで ”という言葉すら無視をしたみたいだ。美波がモデルさんに投げた言葉。  モデルさんの言葉でハッと我に返った。まさかモデルさんに話しかけられるとは思いもよらなかった。  つい驚いてしまうもののモデルさんの近くまでに向かおうとした。  あわよくばモデルさんの手を引っ張り、先にモデルさんの死ぬを阻止する。その次に美波の番だと死ぬのだ。 「今は、貴方の方が大丈夫ですか?」  モデルさんも他所の心配より自分自身の立ち位置を気にした方がいい。  屋上には柵が並んでおり、柵の手前にいるモデルさん。自分自身の立ち位置を確認しているみたいだ。 「放っていて下さい」  噛み付くような冷たい瞳で距離感を突き放すモデルさん。 「いいえ、放っていけません」 (放っていたらまた死ぬんじゃないの、それにモデルさんより私が死にたいの!!)  内心では、机上をバシバシと叩く勢いで訴えかけている。傍から見ればモデルさんを助ける正義感が溢れる人みたいだ。
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