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「俺は、もう生きるのが怖いんです!」
「私だって生きるのは怖いですよ、様々なところから嫌な思いしますし」
「なら、なんで止めようとするんですか?!」
「私は貴方のことを知っています」
「止めるのはファンだからなんですか」
「ファンではなくカフェでバイトしている店員です!」
「もしかして、“ あのカフェ ”ですか?」
「はい。だから死のうとしないで下さい」
“ あのカフェ ”で意思疎通が出来た二人。あのカフェとは美波が働いているカフェであり、モデルさんがよく行く場所だ。
これでもかというくらいにモデルさんと会話しながら徐々に距離を詰める。
モデルさんが死ぬ前に、と美波はモデルさんの腕を引っ張る。何とかモデルさんを死なせないようにした。
今度は、美波の番だと感じて飛び込みたかった。
「貴方は、生きているのがバッドエンドになるだろうけど幸運が訪れるよ。だって私に死を譲ってくれたから。私はハッピーエンド」
モデルさんを引っ張る反動で柵に触れて、柵の先へと進む。最後の言葉を言い残して屋上から飛び降りた。
美波は屋上から飛び降りたはずだった。
目を覚ませば天国ではなくあの場に相手が真上にいた。
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