第六話

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「あ、あれ?」  美波は目を覚ませば、天国ではなくモデルさんのマンションにある屋上だった。  その上、膝枕の体勢でモデルさんが真上にいた。なぜ美波が死亡していないのか、モデルさんに膝枕をされているのか分からない。  何も状況の理解が出来ないまま黙り込んでいると、モデルさんから話しかけられた。 「君が死を奪うから、俺はハッピーエンドになれませんでした」 (死を奪う? ハッピーエンドになれなかっんだ・・・・・・可哀想)  疑問を持ちながらも、モデルさんが切ない最後を遂げたのかと思った。 (なんで死んでもいないのにハッピーエンドになれませんでしたって言えるんだろう?)  質問したいことが二つあるのに何から言えばいいのか分からないから戸惑う。 「なんで、私は死んだはずっ」  まずはなぜ美波が飛び降り自殺したのに生きているのかと質問した。痛みすらないし怪我もない。モデルさんが助けたというのも柵があるから考えにくい。 「ちゃんと俺の目の前で、君は飛び降り自殺しましたよ。だから、また君と同じように別次元から君を助けに来ました」 (飛び降り自殺したのは、本当だったんだ。タイムスリップじゃなくて別次元の話をモデルさんも知ってる・・・・・・助けに来れたんだ) 「え、えーと。その前に貴方はなんでハッピーエンドになれなかったんですか? 貴方も同じように死んだのちに別次元ということですか?」  お話がこんがらがる前に、一度お話を戻してからお話を繋げる。 「はい、俺は君が飛び降り自殺した日から死ぬまで生きてました。別次元するかは様々なことでなるらしいです」  別次元の移動をする経験が豊富らしい。別次元の移動には様々なことでなるということで、美波はモデルさんの自殺から遡るのではなく別次元へと飛んでいく。  お互いにお互いの自殺を止めるために、別次元の移動が繰り返されているとも言われた。
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