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言いくるめられた美波は、うぅーと呻き声を出す。何も言い返す言葉は見つからなかった。
「今日、死なないで下さいね。また別次元に飛ばされるんですか、私と貴方も」
忠告としてモデルさんに注意する。結果的には美波も自殺を回避されてしまった。
お互いに現実の状況は、解決せずに何も変わらない。
「どうでしょう。仕事疲れがですね〜」
だからなのか、仕事が原因で自殺したことがあるモデルさんが愚痴を入れる。行きつけのカフェにいる店員でも一般人である美波に愚痴をこぼすのか。モデルさんもただの人間なんだと感じた。
「疲れるなら辞めちゃえば、いいんじゃないですか?」
自殺行為をする原因さえも回避させれば、モデルさんの問題は解決するはずだ。
「へ?」
「死ぬくらい嫌なんですよね?」
「まあ、うん」
「私のは過去のトラウマだから逃げ場なんてないけど貴方はまだあるじゃないですか、ね?」
「俺だけをこの世に取り残したら、別次元の旅行きですよ」
(そ、そうだった・・・・・・私が死んだらまたモデルさんは別次元に飛ばされるかもしれないのか。そこまでは考えてなかった!)
モデルさんの頭は、回転が早くて美波が気付かない部分までも理解している。環境や年の差の分だけ考え方が違うのだろうか。
「それは・・・・・・なんとも言えません。けど貴方が死んだら、また別次元で助けに行きますよ」
美波が自殺行為をするかどうかは誤魔化す。モデルさんが自殺行為をしたら、また別次元の旅行が始まる。
そうですか、と平然とした態度を取るモデルさん。
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