第六話

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「私が死んだら助けに来ないで下さいよ」  モデルの顔など見ずに美波は背中を向けた。  ふはっ、と笑い出したモデルさん。どちらにしろ、片方が自殺行為をしたら片方が別次元に飛ばされるの変わらない。だから助けるかはまた別の問題かもしれない。  美波が自殺行為をした日は、モデルさんが美波を知らないような感じがした。  まだ別次元のことを知らないモデルさんだったのだろう。今じゃ別次元について詳しいモデルさん。 「言わば、ループする限りは離れることさえ許されない関係なんですね。相棒みたいな」  地面で胡座をかきながら、上手いこと言ったと勘違いするモデルさん。 「・・・・・・ドラマの見すぎなんじゃないんですか?」  モデルさんのお言葉をいとも簡単に否定へと入る美波。  そんな話をしていたら、いつの間にか太陽が昇っていた。屋上だから太陽の光が眩しい。 「はははっ」  落ち込むのではなく笑い出すモデルさん。モデルさんの笑いのツボが今だに分からない。  別次元に関しては、モデルさんと同じか不明だ。  前回の美波は、別の世界線から来たであろう美波。そしたら今度はモデルさんが助けに来たのだ。  だから未来を変えさせないように、とモデルさんが第三者の目線で、美波を死なせなかった。バッドエンドをハッピーエンドに無理矢理と返させられたのだ。  モデルさんは、またしても美波よりも先に旅立とうとするのだろう。モデルの仕事を辞める提案は、どうするかモデルさん次第だ。  やはり美波と同じように別次元から来た人間なのだろう。
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