エピローグ

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ーーー 『日記』  一度でも私が死ねたのは良かった。  けれど天国に行かずに別次元へと飛ばされたのはしゃくだ。  まあ、モデルさんが幸せそうならいいか。  明日はバイトだ。  もしかしたら、モデルさんに会えるかな。  二十XX 八月五日 私より ーーー  自殺志願者の美波たちの鼓動を表す波形はずっと横軸に伸び切っていた。矩形波の横軸をピーとした音。そうさせたのは、モデルさんが先だった。  また美波の体が別の世界線に飛ばされてしまうのか分からない。  今のところは、モデルさんを助けに行く旅へと出掛ける予定はないみたいだ。  新しくニッコリとした笑顔の写真をインスタに載せたモデルさん。  モデルさんが生きているということは、別次元の世界がねじ曲がっているのかな。  今までのモデルさんとの出来事を記憶が、段々と吸い取られるように消えるかもしれない。  タイムスリップと勘違いしていた美波が恥ずかしい。今後の未来で美波が死のうとした日には、きっと時間を巻き戻してモデルさんが行き来するのだろう。 END
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