君はまだ旅の途中

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 プールの底から見上げた空は泣きたくなるほど青くて、手をのばしても絶対に届かないほど高く遠く感じた。呼吸を求めて胸がドクドク騒ぎだす。手足の先が痺れたようになってくる。  この指の先から氷みたいに静かに溶けて水になってしまえば、いつかは蒸発してあの空に行けるかな。だったら、目も耳も唇も全部なくなったっていい。ついでに、私を内側からつつき続ける、やり場のない感情も全部水に溶かしてしまいたい。  会いたい。  会いたい。  会いたい。  どこか遠く、この青い夏空の下で輝いているはずの彼へ、せめてこの想いだけでも届きますように。
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