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「まあ、でも...
何度カラスが狙おうがぼくが追い払う
から....」
ベッドの上で胡座に頬杖をついた櫻介は
カラスを思い出してムスッと顔をしかめている。
「そんなに可愛い小鳥だったの...?」
櫻ちゃんがそこまで小鳥のために
必死になるなんて...
私は双眼鏡で鳥を観察する櫻ちゃんを思い浮かべてクスクスと笑いながら問いかける。
櫻介はそんな羽菜をしばらく見つめると
まあね...とフッと柔らかい笑みをこぼした。
「でもね...?
羽菜ちゃん...」
いきなり櫻ちゃんの声のトーンが
下がったので
私は「んっ?」と櫻ちゃんに目線を戻した。
しかし、こちらを見つめる櫻ちゃんの瞳は
まるで獲物を見つけた鷹のように鋭く
私はとっさに逃げようとする。
しかし、立ち上がろうとした私に
櫻ちゃんの大きな手が伸びてきて
私の後頭部をがっちりとホールドした。
「時々、可愛い過ぎて
一生籠に閉じ込めたくなるんだよね...」
櫻ちゃんはそう呟いて
ゆっくりと自分の方に引き寄せる。
「もし、風邪うつしたらごめんね...」
「櫻ちゃ....んっ....」
熱を帯びた櫻介の唇が重なり
舌がすぐさま口内に入り込むと
荒々しく私の舌に絡めてきた。
「羽菜ちゃ.........ん...」
時折私の名前を呼びながら
どんどん深くなる櫻ちゃんのキスに
私は息づくので必死だった。
熱のせいか櫻介の熱く火照った舌が
私の脳までもトロトロに溶かしてしまう。
「は.........ふっ......ンンっ...」
櫻介はひとしきり羽菜の口内を堪能すると
名残惜しそうに唇を離した。
すると、赤く火照った顔でハアハアと上目遣いに呼吸を繰り返す羽菜に櫻介はゴクリと喉をならした。
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