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羽菜の潤んだ瞳に
たまらず櫻介が再び羽菜に
手を伸ばそうとするが、
羽菜の瞳がキッと威嚇したので引っ込めた。
「私、櫻ちゃんにちゃんと向き合うとは言ったけどキスを許可した覚えはないんだけど(怒)」
まるで闘牛のように闘争心剥き出しの
羽菜に櫻介は嬉しげに頬を緩める。
「無理だよ。
こんな近くに可愛い羽菜ちゃんがいるのに...
その先を我慢出来てるだけ誉めてもらいたいくらいだよね...」
今度は開き直ったように
ツンとした態度を向けた。
この男は...(怒)
全く反省する気なし(怒)
私の拳がプルプルと震えてくる。
怒りで震えるとはこういう事をいうのね...
「そ、その先って何よ...?」
考えなしに聞いてしまった私がばかだった...
櫻ちゃんはキラリと目を光らせると
「知りたい?」
そう言って私の髪をサラサラと
片手でとかしていく。
櫻ちゃんの艶のある瞳に見つめられ、
まるでメデューサに睨まれたように私の体は自由を奪われる。
私は体の奥底から疼くのを感じて
さっと俯いて櫻ちゃんの瞳から逃げた。
そして、フルフルと顔を横に振りながら
「知らなくていいです」と彼の胸を押して距離を取った。
これ以上近くにいてはダメだ...
「私は部屋に戻るので櫻ちゃんは寝てください」と言って目を反らしたままお盆を手に立ち上がった。
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