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第6話
───それから数日が経ち
約束のデートの日がやってきた。
櫻介と羽菜は二人で遊園地に訪れていた。
「遊園地なんて何年ぶりだろ。
昔は家族でよく来てたんだけど
久しぶりだからワクワクしちゃう」
入場ゲートをくぐりぬける
羽菜は瞳をキラキラと輝かせている。
「僕なんて昨日の夜は楽しみすぎて
なかなか寝付けなかったよ。
羽菜ちゃん、今日はとことん楽しもうよ!」
櫻介の言葉に「うん!」と
羽菜は満面の笑顔で返す。
櫻介も羽菜の嬉しそうな顔に
思わず目を細めると
さっと羽菜の手を取って歩き出した。
「よし!羽菜ちゃん行こう!
最初、何に乗る?
メリーゴーランド?観覧車?」
「ちょ、ちょっと、櫻ちゃん...?
手を繋ぐのは恥ずかしいよ。
誰かに見られたら...」
羽菜は赤い顔で周囲の視線を気にしている。
「誰も僕たちのことなんて興味ないよ」
「そうなんだけども...
やっぱりなんか恥ずかしいよ」
しかも恋人繋ぎなんて...
羽菜はもう片方の手で櫻介の手を
引き剥がそうとするが
「やだ!
手を繋がないなんてデートじゃないよ!」
櫻介は断固としてそれを拒否して離さない。
二人が押し問答していると、
遠くからキャーーーと言う人々の
大きな叫び声が聞こえた。
二人が声のする方に目を向けると
ちょうどジェットコースターが
クルクルと何回転もしながら走り去って行った。
「櫻ちゃん!あれ!あれ乗ろう!」
羽菜はジェットコースターの方を
指をさしながら
先ほどよりも更に目を輝かせている。
「早く、早くっ!」
そして、コースター乗り場へと
櫻介の手を引いて歩き出した。
「えーっと...
さっきのクルクル回ってたやつに
人って乗れるの...?」
「当たり前じゃない!
ほらっ、行くよ!!」
先ほどとは打って変わって
今度は引きつり顔の櫻介を
羽菜がグイグイと引っ張っていく。
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