あと5分 : バッドエンド編

1/2
前へ
/11ページ
次へ

あと5分 : バッドエンド編

「あ...バス....来ちゃった....」 タイミングを見計らったかのようにバスが来た。 彼は、膝に置いていた荷物に手をかけ、 色あせたベンチから腰を上げた。 そこから5歩、リズムよく歩いて、 彼は振り返り、いつものように 「また明日」 そう言い左手を振った。 「あ....うん、じゃあね...」 軽く手を挙げ、 バスに乗り込む彼の背中を見送った。 バスが視界から消えるまで ただただ続く1本道を見つめていた。 【明日....明日こそは言おう...】 そう思い、ようやく立ち上がる。 そして、元来た道を戻り、家へと足を急ぐ。 【明日こそは....】と決意を固めながら。 しかし その明日が二度と来ることはなかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加